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現役医学生が経営する「医Cafe SUP?」運営団体ココキャンの現在

2021年4月、弘前大学に在籍する医学生5人が開業させた「医カフェSUP?」。開業から2年がたち、「医カフェSUP?」は現在どのような姿になっているのか。学生だけで行うカフェ経営の苦労や得られたことなどを、2代目代表の佐々木慎一朗さんに取材してきた。

 

▲「医カフェSUP?」はこの店頭の2階にある

 

◆2代目代表 佐々木慎一朗さんにインタビュー!

▲2代目代表佐々木さん

 

——開業に至るまでの経緯を教えてください。

「勉強サークル」で知り合った、学年の違った医学生5人が、「地域と医療現場の架け橋となりたい」 との共通する思いから、協力をして「医カフェSUP?」を開業しました。会議を開いて何度も話し合い、何件もの不動産を回り、クラウドファンディングで資金を集め、たくさんの努力を重ねて無事にここまでくることができました。

参考記事:大学生も起業できる「弘大じょっぱり起業家塾」とは?(市民ライター 熊谷春美さんの記事)

https://www.hirosakigurashi.jp/2021/0720/4411/

 

——店の名前の由来はなんでしょうか?

「医カフェSUP?」のSUP?は「What’s up?」の後ろ3文字からきていて、医療について聞きたいことがあるお客さまや、悩み事があるお客さまに、「どうしたの?」と寄り添い、気軽に相談してもらえるカフェにしたいという思いからきています。

 

——開業・経営をするにあたって、メンバー内で苦労している点を教えてください。

意思決定の際に、全体の意見を取り入れようとしているため、話し合いは何度も重ねるようにしています。何か決め事が生じたら、一週間に一回の役員会議で議論し、方針を決定します。役員はプロジェクトごとに会議を開き、常にメンバーの声を聞いています。メンバー全員の声を聞くことはたいへんですが、各役員が協力することで団体の参加意識を高めています。

 

▲メンバーの活動の様子

 

——カフェの経営はたいへんではないでしょうか?

そうですね。カフェの経営はとても難しいです。限られた予算の中で、お客様に満足してもらうために日々奮闘しています。でも、お金だけではない経験が学生時代に得られていることに価値があると考えています。

 

——現在、カフェの他になにか活動をしていますか?

団体としては、現在行っている企画が2つあります。1つ目は、市民に医療について知ってもらうために行っている「市民企画」です。2つ目は、青森県の総合診療科の先生と医療関係者、学生が参加し、学習会を行う「総合診療企画」です。

どちらの企画も、異なる人と異なる分野で企画するので非常に興味深いです。また医カフェ自体も地域の催事に外部出店することが増えました。

 

——1代目の代表から引き継いで何か変わったことはありますか?

僕自身がさまざまな活動に携わっているので、関わる団体同士で繋がりやすくなったと思います。例えば弘前大学の文化祭で、医カフェは外部の団体なので出店できませんが、僕がプロデュースした桜坂とコラボすることで、出店する事が可能になりました。

※桜坂とは、弘前大学のコピーダンスサークル

 

——日頃大切にしている考えはありますか?

カフェや桜坂の活動など、さまざまな活動がどのように社会に貢献しているのかをある程度最初に考えるようにしています。その表現方法が、飲食なのか、ダンスグループなのか、それとも商品なのか、それらはプロセスが違うだけだと思っています。

 

——今後の目標はありますか?

僕個人での活動や、CoCo-Cam(ココキャン)のメンバーで行う活動が、身近な人に加えて、市民や県外の人など多くの人に届くように工夫をしていきたいと思っています。CoCo-Camとしては、もっと地域と関わっていきたいので、地域の人と繋がれるような企画を考えていきたいと思っています。

※CoCo-Cam(ココキャン)とは、カフェを創設した5人の総称

 

——大学生としての立場で、最後に一言伝えたいことはありますか?

僕に関して言うと、上記で述べてきた活動に加えて、自転車競技部の部長や写真部の部長も行っています。医学生としてやるべきこともあり、とても忙しいですが、毎日夜12時まで30分おきで予定をいれながら、両立しています。時間はつくろうと思えばつくれるので、僕たち学生や若い人が、エネルギーを持って頑張ろうという流れができればいいなと思っています。だからこそこの団体があり、カフェがあります。ですので、僕たちの活動をもっと多くの人に知ってほしいし、それがみなさんの活動を始める活力になればいいなと思います。何かを始めることは大変ですが、誰にでもチャンスがあります。だから、何か挑戦したいと思う学生がもっと増えてほしいなと思います。

 

▲「医カフェSUP?」経営メンバー(佐々木さんの提供)

※佐々木さんは、3列目右端

 

◆インタビューを終えて

2代目代表の佐々木さんは、自分の限界を決めずに、新しい目標を常に設定し続ける方だと感じた。学生のうちにこれほど多くの活動に携わっている方がいることを知り、同じ大学生として自分にもできるという希望になった。私も大学生活のうちに、自分の可能性を信じ、何事も恐れずに挑戦していきたい。

どんな質問にも、自信を持って明確に返答する佐々木さんの姿に、大学生らしからぬ貫禄を感じた。やはり経験値は人間性を高めるということを実感した。

医カフェ開業から2年。医カフェは廃れることなく今も進化し続けている。

 

▲医カフェSUP?入り口


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