弘前にUターンして開業!何度でも訪れたい 源泉かけ流しの一棟貸し切り温泉「民宿ずだらっと」
岩木山麓にはいくつかの温泉宿がありますが、羽黒温泉「民宿ずだらっと」は、何度も訪れたくなる宿です。今回は冬と春に2回宿泊した私の体験をリポートします。
1回目に訪れたのは去年の12月上旬。温泉が好きな娘と出かけました。弘前の中心市街地に雪はなかったのですが、羽黒温泉に着くと、数日前に積もった雪が残っていました。
「民宿ずだらっと」は、2018(平成30)年に、弘前にUターンした三上瑠菜(るな)さんが、大好きな弘前に、「自分が泊まりたくなる温泉宿を作ろう」と開業した宿です。家族で「ずだらっと」の近くに引っ越し、農業をやりながら営業しています。「ずだらっと」とは津軽弁で「ゆっくり」「のんびり」という意味。
予約は1日1組、一棟貸し切りです。
◆ 農業体験・収穫体験ができる
4月~11月に宿泊する場合は、瑠菜さんの農園で農作業や収穫体験ができ、自ら収穫した野菜を料理して食べることができます。(1人1回=1,000円)
家族や友人たちと行けばきっと楽しい思い出になるでしょう。今回は冬で農作業ができないため、高菜の葉くるみ漬けの体験をしました。
宿に到着してお茶を飲んで一息ついた後、広い居間で高菜の葉くるみ漬けを作りました。
材料はすでに準備されてあり、調味料を加えた酒粕と大根を、一度塩漬けした高菜でくるみ、漬物だるに詰めていきます。瑠菜さんと瑠菜さんのお母さんの指導のもと、「こんな感じでいいのかなぁ」「大丈夫だよ」と、おしゃべりしながらたるに詰め終え、ふたと重しをしておしまい。葉くるみ漬けは、家ではやらないので、娘には貴重な体験だったようです。たるごと家に持ち帰って数日後、おいしくいただきました。
さて、お腹がすいてきたので晩ごはん。農園で採れた野菜をたっぷり使った、たくさんの料理が並びました。新鮮なお刺身、ふわふわのハンバーグ、きのこが入った鍋など、食べきれないかと思いきや完食。白いご飯まで、しっかり食べました。
晩ごはんの料金には、瓶ビールが1本含まれます。缶ビールやワインなどは別料金となります。飲み物の持ち込みはOKということなので、自分の好きなお酒を持ってきてもいいかもしれません。
◆さあ、温泉に入ろう
源泉かけ流しのお湯は、少し濁っています。硫黄臭はありません。熱いので水を出して入ってくださいと言われましたが、ちょうどよい湯加減。お湯は柔らかく、肌に優しくて、細胞までしみわたる感じです。湯上り後は、体がじんわりと温まり、ほんわか幸せ気分。長湯をするのではなく、ちょこちょこ何度も入りたくなります。
温泉も独り占めできます。
1棟貸し切り宿なので、宿泊客は我々だけです。夜中までテレビを見ようが、本を読もうが、誰にも気がねなく、自分の家以上にくつろげました。言葉通りの「ずだらっと」です。娘も、「人目を気にしなくていいね。」と、何度も温泉に入っていました。いつか家族みんなで来ようと思いました。
◆2度目の宿泊
今年の5月下旬に、夫と再び訪れました。
2度目なのに、「ただいま」、とまるで実家に帰った気分。今回は、4月に退職し、本格的に農園で働くようになった瑠菜さんの夫、勇人(ゆうと)さんが一緒に迎えてくれました。
もはや勝手知ったる我が家のようにくつろぎ、旬の山菜料理と温泉を堪能しました。
「ずだらっと」では、食材を持ち込んで自炊することもできるので、連泊して湯治をするのもよいでしょう。周辺のアクティビティは、夏にはロードバイクや渓流釣り、秋には紅葉狩り、冬にはスキーと1年を通して楽しみがたくさん。居心地の良さから、リピーターのお客さまが多いのもうなずけます。
「ずだらっと」が実家のように感じるのは、周りの景色にありました。私のふるさとは、自然豊かな山あいです。冬は雪がたくさん降りますが、春には裏山で山菜が採れ、夏は星空が綺麗です。宿の近くを散策して深呼吸をすれば、ふるさとの景色が浮かんできます。
木立の中にひっそりと、隠れ家みたいな静けさ。とても癒される温泉宿でした。
「民宿ずだらっと」
弘前市常盤字黒森12-8 TEL080-5575-0261 立寄り入浴は要問合せ
HP
https://inakakurasi430.wixsite.com/zudaratto