けやぐの家(え)においでよ
「今日なにす?」 (今日、何しようか?)
「けやぐの家(え)さいぐが」(友だちの家に行こうか)
「んだな まだ漫画買ったってらや」(そうだね。また新しい漫画を買ったらしいよ)
何をして過ごそうかな…
そんな時に訪れてみたくなる、「けやぐの家(え)」とは?

▲目印の看板
看板がなければ、見逃してしまいそうな住宅街に「けやぐの家(え)」はあります。
けやぐとは、津軽弁で友だちという意味、友だちの家のことです。

もとは古いアパートだった玄関を開け、靴を脱いで店内に入ります。看板猫ちゃんが脱走しないように設けられた手作りの扉を開いたその先には、大量のコミックスと書籍。大きなテレビがありますが、映像はなく、音楽だけが流れています。
カウンター奥の厨房から、店主の小林達也さんが「いらっしゃいませ」と迎えてくれます。
時間制限のある漫画喫茶とは違い、「けやぐの家(え)」は喫茶店です。何かを注文すれば、席料もなく、時間の許す限り居ても良いのです。

▲お客様は4組まで。ソファー、座椅子、冬場はこたつもあります



▲家カレーはお休み中
店内を見渡すと、コミックス、書籍、雑誌、画集・写真集、ドラムセットetc.。電源、Wi-Fiも使えます。小林さんが好きなサブカルチャー色が強い本が多いです。
小林さんが「けやぐの家(え)」を開店したのは、2017年の12月。平川市出身で、弘前の高校を卒業後、東京で28年間お仕事をされていました。青森で暮らしたいと帰郷し、5,000冊以上の漫画や本をお金のない若者に活用してもらいたいと、開業を決めたそうです。自分自身も、このまま仕事を続けていては、せっかく買った漫画や本を読みきれないまま人生を終えるのではないか、という不安もあったとのこと。
小林さん自身、近所の従兄弟や上級生、友だちの家に行き、それまで知らなかった、漫画や音楽と出会い、その後の人生に影響を与えられたそうです。その方たちのように、自分も若い人たちに、友だちの家のようにくつろいでもらい、新たな発見をしてもらいたい、それが「けやぐの家(え)」です。
学生さんのお客様が7割、社会人の方が2割くらい、残りの1割は、友人、知人、ご家族連れなど。1人か2人で来店する方がほとんどで、学生さんはノートパソコンを持ち込んで、作業をすることが多いそうです。もちろん、コミックスも人気です。
時々、看板猫のムーちゃん、モーちゃんが覗きにやってきます。

▲ムーちゃん(右)とモーちゃん※写真は小林さん提供
今年の12月でまる3年を迎えます。小林さんは、「学生さんが先輩から『けやぐの家(え)』という居心地がよい店があると聞いて、この近くのアパートに住むことにしました。そう言ってもらえるようになるとうれしい」と言います。
小林さんが店内にいるときは、「自分自身も自分の部屋でくつろいでいる感じで過ごしています。基本お客様には、好きに過ごしてもらいますが、話し相手にも、遊び相手にもなります」とのこと。

▲ドラムを叩く小林さん
「けやぐの家(え)」は、まさに小林さんの自宅。居心地の良い、本当の意味での友だちの家のような空間でした。さぁ、ちょっと勇気を出して、「けやぐの家(え)」の玄関を開けてみましょう。きっとそこには、あなたを引き付けるものがあるはずです。
けやぐの家(え)
弘前市桔梗野5丁目15-8
営業日
火~金曜日 14:00~21:00
日曜日 12:00~21:00
定休日 毎週月・土曜日
※11月中は完全予約制、12月からは通常営業
instagramのメールで予約可 アカウント「keyagunoe」