5年ぶりの開催!「第40回 レッツウォークお山参詣」に参加してみた
◆お山参詣とは?
お山参詣とは、「岩木山の登拝行事」として1984(昭和59)年に国の重要無形民俗文化財に指定された伝統行事です。由来、内容などにおいて我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの(※1)とされ、毎年、旧暦の8月朔日に岩木山頂の奥の宮に参拝しご来光を拝するために、向山、宵山、朔日山、の3日間にわたって行われています。日程については、岩木山神社の奥宮の創建が780(宝亀11)年8月朔日であったことが由来とされています。
◆レッツウォークお山参詣とは?
お山参詣が国の重要無形民俗文化財に指定されてから、興味ある人を幅広く受け入れて誰でも伝統行事であるお山参詣ができるよう企画されたイベントです。途中、コロナ禍などで中止していましたが、今年は5年ぶりに再開し、40回目の節目を迎えました。
◆いざ出発
イベント開催は2024(令和6)年9月2日。宵山の日の午前中に岩木山神社に参詣するため、受付は7時30分開始。手渡された揃いの装束を整え、整列したら弘前市岩木総合支所を出発します。
▲当日の朝の出発式。法被にハチマキは貸与。白ズボン、白シャツ、白靴は持参する
登山囃子とともに「懺悔懺悔(サイギサイギ)六根懺悔(ドッコイサイギ)御山八代(オヤマサハツダイ)金剛道者(コウゴウドウサ)一々礼拝(イーツニナノハイ)南無帰命頂礼(ナムキンミョウチョウライ)」(※2)と唱えながら岩木山神社を目指して歩きます。初めての参加でしたが繰り返すうちに覚えることができました。
▲御幣や幟(のぼり)を掲げて進む。笛と太鼓とジャガラで演奏するお山参詣の囃子が街道に響く
▲岩木山に向かう行列。京都、神奈川、茨城、群馬からの参加者も
出発後は農産物直売所「野市里(のいちご)」まで行き、休憩してからバスに乗り高照神社隣の高岡の森弘前藩歴史館まで移動しました。そこから再び徒歩で岩木山神社を目指して歩きます。雨が降り出したためカッパを着こんでの出発となりました。
◆いよいよ到着
歩行4.2キロの行程を経て一行は岩木山神社に到着。自分たちの後にも別の行列が続々と入場して大変なにぎわいです。参拝者と観光客の熱気で鳥居の前はいつもと違う雰囲気に包まれていました。
▲空高くたなびく幟。掲げたまま鳥居をくぐるのは力自慢の証。周囲に大きな歓声が響く
▲神社に参拝。五穀豊穣、家内安全を祈り、無事に参詣できたことを報告する
参詣を終えると鼻に白粉を付けてもらいサワラを授かり、、下山囃子に合わせて踊りながら帰途につく。唱文は「いい山かげた朔日山かげた…バダラ、バダラ、バダラヨー」(※3)バダラ踊りは、登拝を無事済ませたという喜びを表しているとのこと。岩木山神社前の広場でひとしきり踊った後、再びバスに乗って岩木庁舎まで戻り、そこでお弁当と岩木山神社の御札を受け取った。会場では津軽の味を楽しみつつ、津軽三味線、ねぷた、ねぶたの囃子の舞台発表があり、大いに盛り上がった後にイベントはお開きとなりました。
▲輪になってするバダラ踊り。参詣を終えた喜びと安堵で足どりも軽やか
◆イベントに参加して
実際に歩いたのはほんの数キロではあったものの、ものすごく内容が濃くて、伝統行事であるお山参詣にこんなに簡単に参加していいのかと思うくらいに素晴らしい体験ができました。お山参詣に誇りを持ち、大切にしている皆さんの思いがあふれていて、岩木山は津軽の人のかけがえのない心のよりどころであるのだと感じることができました。
これからも毎年開催し、たくさんの参加者にお山参詣を体験してほしいと願っています。
問い合わせはレッツウォークお山参詣実行委員会事務局のある岩木山観光協会(電話:0172-83-3000)まで。
※1:文化庁ホームページより抜粋
※2,※3:岩木山観光協会ホームページより抜粋
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