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知っていますか?弘前駅で受験生を応援する弁当販売員。その理由と想いを聞いてみました。

皆さんこんにちは!
弘前市民ライターの遠藤です。

2022年2月。弘前大学の二次試験を受験するためJR弘前駅を降りた私は、改札口に面した自由通路にある売店の店員さんから合格祈願キットカットをいただきました。当時は大学受験や青森に身内がいない不安などで一杯でしたが、「なにかあったらいつでもおいで!」と気さくに声をかけてくれました。店員さんの応援のおかげで、不安は和らぎ、翌日の面接は程よい緊張感で臨むことができました。

▲合格祈願りんごを背景に合格キップを持つ私(撮影日: 2022.02.25)

私に声をかけてくれた店員さんの名前は、三上華乃さん。弘前駅で「津軽弁」という弁当やりんごなどを販売する津軽振興会の代表を務めています。三上さんにインタビューしてみました。

 

◆三上さんの経歴を教えてください。

弘前生まれで弘前育ち、青森県外に住んだことは一度もありません。実家が自営業で、私も23歳頃から自営業を始めましたが、実家とは全く違う職種の飲食店を営んでおりました。十数年後、母が体調を崩し、私も子どもを授かりお腹が大きかったため、それをきっかけに飲食店を辞め、実家の家事手伝いをしておりました。

仕事復帰では、飲食店での経験を活かせる料理関係のパートをやりたいなと思い、ハローワークで、弘前駅での「津軽弁」という事業で「大和家」の弁当販売員に応募しました。

私がパートとして働き始めたころ、弘前駅では「津軽弁」という事業で、各事業者が一社一社、自らの販売員を派遣して弁当を販売していました。しかし、人件費などの課題から辞めていく業者が増え始めたことにもったいなさを感じ、私が津軽振興会の代表として手を挙げることになりました。各事業者から商品を買い取って販売することで、人件費の課題を解決させました。2010年の試験販売開始以来、13年間営業しています。

 

◆津軽振興会ではどのような仕事をしていますか。

弁当や総菜、りんごなどを販売しています。私たちが販売している弁当「津軽弁」は、津軽の風土・魅力がたっぷり感じられるもの。津軽地方で伝承された料理や日常で食べている食材など、さまざまな食を詰め込んでいることが「津軽弁」の魅力です。弘前は年間観光入込客数約270万人で、その玄関口で商売できるのはありがたいことなので、お弁当だけじゃなくて、観光案内も仕事の内だと思っています。

▲地元の食材を使った、津軽の風土・魅力満点の弁当(津軽弁)が多数販売されています

 

◆自分のどういうところが商売向きだと思いますか。

人と話すのが一番好きだということかもしれないですね。例えば、お客様の「ここに行きたい」という話から「ちょっと津軽弁で言ってみてよ」といった無茶ぶりが嫌いではないです。観光から戻ってきたお客様が「さっきはありがとう」とりんごを買ってくれたこともありました。単に弁当を売るだけじゃなくて、こんな感じで人と繋がれるのが楽しいです。多分スタッフも皆そんな感じだと思います。

▲笑顔で接客する三上さん

 

◆受験生の応援をしようと思ったきっかけは何ですか。

頑張る人、夢を持っている人を応援したいからです。最近は親御さんが受験生に付き添うケースが多いですが、やっぱり弘前に一人で来ること自体がすごいですよね。私は方向音痴で、電車に乗ったりバスに乗ったりするのが苦手なので(笑)。私は県外に暮らしたことがないので、県外出身の受験生が知らない土地に住むかもしれないんだ、と考えると本当に尊敬します。自分の子どもと同年代の受験生が、弘前に来て頑張ろうとしているのを見ると応援したくなります。

 

◆どのような思いでキットカットを配っていたのですか。

「きっと勝つ」と昔からパッケージに書かれていて、いいなと配ってみようと思い、始めました。受験生ってみんな、すごい緊張して来ていますよね。実際に配ってみたら、チョコレート1つなのに笑顔になってくれて。私たちの応援で元気になってくれたらとてもうれしいです。「弘前さくらまつり」や「弘前ねぷたまつり」もいいですよ、って宣伝しています。

 

◆三上さんが目指す夢や目標は何ですか。

弘前の街をもっと知りたいですね。弘前について知らないこともあるので、勉強して観光案内に役立てたいと思っています。小さいころに行った時と現在では感覚が全然違うと思うので、昔と今の気持ちを比較したり、今の気持ちを再確認したり。JR弘前駅1階の観光案内所の人たちと仲良くやっているし、混雑していて大変そうな時には協力をしたいので。あと、英語も話せるようになりたいです。最近は外国人観光客も多いので、国内外問わず、弘前の良さをどんどんPRしていけたら良いですよね。

 

◆インタビューを終えて

地元民でありながら弘前への探究心を持ち続け、知識をアップデートし、来客者に弘前の良さをどんどんPRする三上さん。津軽らしさ満点の新鮮で美味しい食べ物を知ってもらい、弘前の四季折々の祭りや観光名所のイベントを楽しみ、また弘前に来たいと思ってもらえるよう情報発信し続け、弘前の発展に貢献しています。

取材する中で、非常にエネルギッシュで弘前愛溢れるすてきな方だな、と感じました。私も三上さんに恩返しできるように、弘前の知識を深め、英語を話せるように勉強し、大好きな弘前をいろんな人に知ってもらいたいなと感じました。

三上さんや津軽弁、りんごなどに興味を持った方はぜひ弘前駅の自由通路にある三上さんの店に足を運んでみてください。

津軽弁みっぱも良ぐで、たげめはんで!(津軽弁見た目も良くて、とっても美味しいので!)

津軽のお弁当「津軽弁」。JR弘前駅2階改札口に面した自由通路(あずましろ~ど)で販売されています

場 所  JR弘前駅2階自由通路内(あずましろ~ど)
営業日  基本的に年中無休(売り切れ次第営業終了) 8時~20時


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