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花で弘前を彩る「ハナヒロプロジェクト」-ワークランド茜で咲いた新たな価値-

弘前をたくさんの花で彩ろうという試みがありました。弘前市が市民参加型企画で始めた「ハナヒロプロジェクト」です。中央弘前駅や土手町の店先にフラワーバスケットを設置し、市民ボランティアの手によって春・夏・秋と季節ごとの花を植えました。

今回は、ハナヒロプロジェクトの1つとして、2018年から毎年、五重塔がある最勝院前の新寺構で、弘前市と共同で花壇の植栽を続けている「ワークランド茜」の取り組みを紹介します。

 

▲新寺構の花壇は季節ごとにさまざまな色の花が咲くように計画されています

 

▲ハロウィーンの季節はオバケやアマビエ達が登場、近くの保育園児も大喜び

 

◆「ワークランド茜」の花の植栽活動

ワークランド茜は弘前市自由ケ丘にある障がい福祉サービス事業所(就労継続支援B型)です。知的障がい者が働く機会を確保するため、1993年から花や野菜の栽培、花壇植栽を開始し、2017年には社会福祉法人としては初めて「ひろさき地方創生パートナー企業協定」を締結しました。現在は弘前市内の介護施設、商店や地域の農業団体等から花壇整備やプランターの仕事を受けているということです。

▲社会福祉法人茜育友会 ワークランド茜

 

◆花壇整備の担当者の声

ハナヒロプロジェクトの先頭に立つのは、ワークランド茜の知的障がい者専門支援員 神 麻美さんです。神さんによると、花壇を整備する日は朝がたいへんだとか。花の手入れは施設の利用者が担当しますが、出発の準備を始めると神さんの周りに利用者が集まり、「一緒に連れてってー」とアピールが始まるそうです。大勢を連れて行くことはできないので、その日の作業内容に合わせて人選。作業を楽しみにする利用者を選ぶことが心苦しいそうです。

新寺構の花壇整備を始めた頃は姫竹が一面に茂っていました。草の剥ぎ取りから始め、土を起こし、石を拾います。以前建物があった場所ということで、大きい石やビー玉、茶碗などが出てきてしまい、撤去に時間がかかり1日1メートルも進まない日もありますが、職員が「お宝発見!」という声をかけると利用者が笑顔になるそうです。ワークランド茜には、茜3訓「手を出すな・口を出すな・目を離すな」があります。つまり、主役は利用者で職員は黒子。主役である利用者を舞台に立たせ、失敗しても本人の可能性を引き出す気持ちで接しているそうです。

▲新寺構の花壇整備

 

10月には施設のビニールハウスで来年花壇に植える花の種をまき始め、雪が降る前に花壇の撤去を行います。神さんが来年の花壇のテーマやモチーフを企画。市役所の担当者と一緒に打ち合せてデザインを決定します。近くに保育園があるので園児の目線でかわいい花を、歩行者や車を運転する方の目線では元気が出るビタミンカラーの花など、花を見る人たちの笑顔を想像しながら、来年の企画を練るそうです。

▲神さんが書いた企画書

 

◆ハナヒロプロジェクトが生み出す新たな価値

散歩で花壇の前を通るのを楽しみにする近隣住民や、作業中の利用者に励ましの声をかける人が増えているそうです。これが励みになり、帰宅後の利用者が家族に花壇作業での出来事を話したり、利用者それぞれが責任感を持つ機会になったりすることはうれしいことだと神さんは話してくれました。

▲施設で育てた花を弘前城植物園の花時計で使用しています

 

花壇整備による就労支援で利用者が賃金を獲得する場所を作ることが大切だと思って取材を始めましたが、ハナヒロプロジェクトで生まれた価値はそれだけではありませんでした。新寺構を通る匿名の人から、「通勤中に花壇を見るのが楽しみ、たいへんな作業だけどがんばって」とお礼の葉書が施設に届いたとのこと。ハナヒロプロジェクトは利用者が働く機会の提供だけでなく、家族や周りの人とのふれあいを育み、まさに花によって新たな価値を生み出していました。

皆さんも新寺構の近くを通ったら、ぜひ足を止めてみてください。花の美しさはもちろんのこと、季節ごとに変化する花壇もきっと楽しめることでしょう。

 

 

・・・おまけ・・・

◆直売所「あかねの森」について

ワークランド茜の向かいにある直売所「あかねの森」では採りたての野菜や加工品も販売しています。旬の野菜、果樹、花や苗、ジャム、ジュース、ナンバ漬などを販売していますが、一番の売れ筋は糖度14度のミニトマトとねぎ。無農薬栽培の3色のかいわれ、ベビーリーフ、ほうれん草など、季節に合った野菜を栽培しています。

「あかねの森」で扱っている加工品は全て施設の利用者が畑で作った作物が原料で、加工やラッピングも利用者さんの手によるものです。中でもブルーベリージャムは無農薬の完熟した実ときび砂糖を使用しているそうで、とても風味が豊かで私もリピーターになってしまいました。

▲人気のミニトマトは本当においしかったです!

 

▲ハウスで作業中の神さん

 

▲ジャムもかわいらしいパッケージも利用者が作っています

 

▲ブルーベリージュースはおしゃれなボトル

 

※本記事でご紹介する「ワークランド茜」の取組については、令和3年10月9日に取材したものです。