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弘前発!激レアなカレンダー「津軽まんじ暦」

 

▲令和4年の「津軽まんじ暦」

弘前市に住んで思うことは、四季が濃厚だなあということ。

五感を通して身体と心にしみるようで、本当に素晴らしいと感じます。

 

今回は、弘前の1年が凝縮されていると言っても過言ではない、ご当地カレンダー「津軽まんじ暦(ごよみ)」をご紹介します。

 

作成者の一人、弘前市稔町で「めん房たけや」を営む武林正書(まさふみ)さんにお話を伺いました。

▲作成者の一人:武林正書さん

◆津軽まんじ暦とは?

―――弘前市や近郊の年中行事やお祭り、宵宮の日程が手書き文字で書きこまれて1枚に収まっているカレンダー。毎年、有志7社で制作し1,600枚ほど発行していますね。各店舗のお客様や取引先へ年末年始の挨拶に配布したり、友人に配るだけです。当初から販売目的ではなく、皆で楽しみながら作成しているといった感じです。配布先で貼っているところもあるので、お店などで目にする機会もあると思います。

◆津軽まんじ暦の由来

―――そもそもは神社などに貼る千社札(せんじゃふだ)から着想を得て1984(昭和59)年に作成した「まんじ札」を手掛けたことが始まりです。「まんじ札」は参加店の異業種交流と、店の宣伝を目的に計画、全店で配布しました。子どもたちを中心に大人気となり、まんじ札集めに熱中するあまり、自転車で遠くの店まで連れだって行くこともあったそうです。当時、小学生は学区外を子どもだけで行くことは禁じられており、交通事情にも配慮した結果、まんじ札は1988(昭和63)年に終了しました。その後の活動で弘前の町名札・まつり札などを作成。そんな中、シーズンに毎週のように開催される宵宮を一覧できるものがあれば楽しいのでは、と作ったのが「津軽まんじ暦」の始まりです。

▲1986(昭和61年)の「まんじ札」各店舗のデザインがおしゃれで斬新。集めたくなるのもうなずける

▲祭り札 祭りにかける心意気がつたわるよう

▲弘前市の古町名の札 歴史を感じさせる町名がズラリ

 

◆作成について

―――カレンダーの字は、書家の故相馬呑気さんが担当しました。現在は有志が集まって11月中旬からコラージュして作成。数人で役割分担し3~4日かけて仕上げています。宵宮の日程は全ての神社に個別に問い合わせることは困難なので青森県神社庁の暦を参照しています。

◆今後について

―――旧暦から新暦へ変更して表記するため、細かな作業が多く大変なこともありますが、作っていて楽しいですね。これからもできる限り発行したいと考えています。カレンダーを見て年中行事を楽しみにしてもらえればいいですね。

◆取材後記

ひょうひょうと語る武林さんですが、宵宮やお祭りを味わいのあるカレンダーとして作り続けることに、伝統を伝えることへの並々ならぬ思いが込められているように感じました。

とにもかくにも弘前や周辺の魅力が詰まった「津軽まんじ暦」を見ていただきたい。そして多くの人に暦の行事を体験してほしい。

一般に販売はしておらず、知る人ぞ知る激レアなアイテムとなっているのが残念。弘前市内の商店で掲示しているかもしれません。入店の際は店内をチェックしてみてくださいね。見つけたあなたはラッキーかも。

津軽の伝統行事や四季に思いを巡らせることができる「津軽まんじ暦」。

いちファンとして、販売を願ってやまない。