~弘前の老舗のアイス店を紹介 第2弾~【小山内冷菓店】後味さっぱり!80円で味わえる昔ながらのアイスキャンディー
弘前の夏の風物詩といえば、昔ながらのアイスキャンディー。この寒い北国で長年愛されているのが、岩木橋たもとにある「小山内冷菓店」です。実は、弘前はアイス激戦区だった⁉️商品へのこだわりから弘前のアイスの歴史まで、小山内冷菓店の店主だからこそ知る逸話を、余すことなくご紹介します!
◆70年以上愛される小山内冷菓店のアイスキャンディー
弘前で長年愛されているアイスキャンディー店といえば、相馬アイスクリーム商店(悪戸のアイス)、藤田アイス店、そして今回ご紹介する「小山内冷菓店」です。小山内冷菓店は岩木橋たもとにあり、岩木地区出身のわたしにとって3店の中で一番なじみがあるアイス店です。
メインの商品は、なんといってもアイスキャンディー!店内のストッカー(冷凍庫)の中には、カラフルなアイスたちが並びます。ミルク、グレープ、イチゴ、バナナ、ソーダ、抹茶、あずき、パイン、りんごに、2021年新作のメロン味が仲間入りし、10種類になりました。
お店一番人気の「手造りチョコバナナ(無果汁)」は、バナナ味のアイスキャンディーにチョコレートがたっぷり!優しいバナナの甘さと濃厚なチョコの組み合わせが絶品です。
その他、弘前名物の行商アイス「カランカランアイス」やソフトクリーム、店内ではかき氷もいただけますよ。わたしも取材時、新作のメロン味、チョコバナナをゲット。子どもとおいしくいただきました♪暑い夏にもさっぱり食べられて、5歳の娘にも大好評でした!
◆人気の秘密は「後味さっぱり」へのこだわり
▲アイスキャンディー袋詰めの様子。一つ一つ手作業で行っている
70年変わらない製法で作っている小山内冷菓店のアイスキャンディー。創業当時からのこだわりは、「後味さっぱり」にすることなんだそう。確かに、市販のアイスは、食べたあと逆にのどが渇くというものが多いのかなと、個人的に思っていますが、小山内冷菓店のアイスは、水分のいらないさわやかな後味が魅力。このようなメーカーとのすみ分けが、ロングセラーの秘密に繋がっているようです。
また、小山内冷菓店のアイスキャンディーは、1本80円からととってもリーズナブル。店主は「子どもが買いやすい価格にしたい」「子どものために値上げしたくない」と、品質を落とさずに安く提供するため、できるだけ身内だけで製造・販売するように努力しているそうですよ。
▲三代目の小山内潔さん。お忙しい中、楽しく丁寧に取材に答えてくれました!
小山内冷菓店の商品は市内のスーパーにも売っていますが、取材中、実店舗にはお客さんがひっきりなしにやってきていました。
お客さんがわざわざ店舗に足を運ぶ理由は、ユーモアあふれる店主が子どもに向ける優しい笑顔でしょう。店主は今でも「子どもが大将」とおっしゃっていましたよ。
◆創業当時、弘前はアイスの激戦区だった!?
小山内さんのお話によると、小山内冷菓店の創業当時、弘前市は各町内にアイス店があるほど競争がさかんだったそうです。小山内冷菓店の創業者も、駄菓子店、パチンコ店などさまざまな事業を展開し、アイス店に挑戦しました。いろいろな事業を経て、長年愛される店の歴史が始まったんですね!
小山内冷菓店は、「弘前のアイス」と聞かれれば思い浮かぶ人気商品「カランカランアイス」の先駆者。最初はこの「カランカランアイス」だけを売っていたそうですが、ストッカー(冷凍庫)が普及し始め、アイスキャンディーも作り始めたんだそう。
「カランカランアイス」もアイスキャンディーも、今でも立派な主力商品。70年以上もの長い間、変わらぬ味が脈々と受け継がれてきたんですね!
◆変わる時代も変わらぬ味を届ける小山内冷菓店
▲アンモナカやコーヒー、キンツバなど変わり種もあり、見ているだけで楽しい♪
わたしが高校生の頃は、部活が終わった後アイスを食べながら自転車で帰ったものでした。でも、今は客層も変わっているそう。差し入れとして購入していく大人が多く、1軒で150本買っていったお宅もあるとか。時代は変わっても、「子どもにも大人にも愛される味」に変わりはありません。
今年最高の暑さの中、快く取材を受けてくれた店主は、「コロナ禍で、県外からのお客さんはやっぱり減ってしまった」とおっしゃっていました。昭和のアイス激戦期を生き抜いた小山内冷菓店。この逆境も必ず乗り切ってほしいです!