弘前公園の桜はなぜ美しいか
2021年、弘前公園内のソメイヨシノは、4月19日に満開となりました。桜のトンネルは4月20日満開に。
新型コロナウイルス感染症のために公園閉鎖でまぼろしになった昨年。今年は2年分の満開の桜を満喫するために出かけてきました。
「りんご色のまち 弘前」ならぬ「桜色」に染まった市役所前の通りは岩木山も顔を出し、恒例の渋滞となっていました。満開の知らせで人の出は平日にも関わらず少なくありません。
今年の弘前さくらまつりは、公園内入口で消毒や検温のほか、名前・住所・連絡先などを記入するといった新型コロナウイルス感染症対策が実施されていました。入園可能の許可の印は、腕にテープを巻きます。
◆弘前公園の桜はなぜ美しいのだと思いますか?
1975年4月。結婚式のために初めて弘前に足を踏み入れた私に、「弘前公園の桜はなぜ美しいのだと思いますか?」と、義父から問いかけがありました。「松の緑があるからです」と教えられ、父や母、姉、弟、妹と満開の桜を見ながら「なるほど」と納得したのは46年前のことです。そのときの見事な桜の映像は心に刻まれ、目の前にまざまざと蘇ってくるほどです。
今年の桜は――見ることができなかった昨年の分もと、スマホのカメラは出ずっぱり。フィルムカメラだったらきっと大変なことになったでしょう。
まず西濠の桜。1週間前に撮った時には、真ん中のトンネルの桜は5分咲きでした。トンネルの桜が満開になっても、一番上の土手の桜はまだ満開になっていない、この時間差こそ弘前公園内の桜が長く楽しめる理由なのではないかと思います。
そして残雪に白く輝く岩木山を遠くに眺めながら、舞い降りてくる桜の花びらを浴びる桜吹雪は最高!
園内は約1700本のソメイヨシノのほかシダレザクラ、八重桜など52種、約2600本の桜が、色とりどりの花を咲かせていきます。
弘前公園の桜を美しくさせているのは「松の緑」のほかに白い雪をいただく岩木山、桜の姿を映しだす濠の水、城の白壁…と、移住して9年となる私には私なりの持論があります。
そして何よりも強調したいのは「やさしさ」です。どなたにも弘前の誇る桜をみて楽しんでほしいという桜への思い。30台の車椅子が用意され、歩けなくなっている高齢者にも障がいを持っている方にも、車椅子で園内を1周できるようになっているのです。心がホカホカになりませんか。
◆移住の決め手の一つに桜!
「桜の下で結婚式を」の私の願いがかない、天満宮でご覧の通りの花嫁姿。このときの桜が私に移住を決定させたと言えます。春には美しい桜を楽しめるのですから…。
桜の俳句を見つけました。
さまざまのこと思ひ出す桜かな (芭蕉 元禄元年1688年)