voice移住者の声
好きなバンドがきっかけで移住。東京生まれだからこそ感じる「故郷」
砧川キヌ子さん(きぬたがわ きぬこ)東京都国立市出身
- 移住年
- 2019年4月
- 職業
- 兼業芸人
東京で仕事をしながら舞台活動をしていたが、弘前出身のロックバンド「人間椅子」のライブ観覧のため弘前に初来訪。こぎんデザインのTシャツを販売する「cogin+T(こぎんと)」を主宰。
好きになったアーティストの地元だったことから
幼少時代から舞台に立つことが好きで、演劇の専門学校に進み、卒業後は「一人でも舞台に立てる」という理由でインディーズのお笑いライブに出演するようになりました。以来、昼間はIT系の仕事、夜間や休日にライブ出演という「兼業芸人」として活動しています。2014年12月のある日、たまたま見かけた弘前出身のロックバンド「人間椅子」にハマり、2015年の夏に人間椅子のライブを観に弘前に来たのが初めての青森来訪でした。ネット上で知り合った人間椅子ファンの友達とも会うことができ、ライブはもちろん、カラオケや温泉にも一緒に回ったのですが、みんな本当に親切にしてくれて、帰りのバスを待つときは帰りたくなくて泣きました(笑)。
東京と千葉を往来する転勤族の家庭に育ったため、自分に故郷というものはないなと感じていましたが、弘前に初めてやってきた時から、歴史や文化、芸術、自然、バンド文化に至るまで、コンパクトに収まっている街の雰囲気が自分にとても馴染むように感じられました。弘前に住んでからも人間椅子のライブは青森でも開催されていますし、弘前で活動するバンドのライブもすごくかっこいいです。「自分の故郷は弘前だ」と言えるようになれて良かったです。
弘前で「兼業芸人」活動、これからの目標
弘前には夏に引っ越す予定だったのですが、「弘前さくらまつり」をどうしても住民として堪能したくなり4月に前倒ししてしまいました。そのため仕事を決めておらず貯金も引越しで尽きたため、手始めに「自分で刺した津軽こぎん刺しをスキャンして印刷する」というコンセプトのTシャツ店「cogin+T(こぎんと)」を立ち上げます。その後イベント出店に誘っていただいたり、りんご畑の農作業に使ってもらえたりと、これまでやってきたIT関連の仕事だけに留まらず、さまざまな機会をいただくようになりました。
移住して1年も経たないうちに新型コロナウイルスの感染が広がり、「兼業芸人」と言いながら弘前ではまだ思い通りの活動はできないまま時間が経っていますが、これからまた東京にいた頃同様に、主催ライブを開催し、コントやインプロ(即興演技)を一緒に楽しんでくれる仲間を増やそうと考えています。