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2度のUターンでリンゴ農家を継承、マイクロブルワリーという次なる目標

Profile

中田修弘さん(なかた のぶひろ)青森県弘前市出身

移住年
2020年4月
職業
リンゴ農家

弘前市生まれ。高校卒業後に上京し、コールセンターや飲食店店長などを経験。タイや鹿児島に移住したこともある。高校時代はバンド活動する傍ら、青森県高等学校総合文化祭美術部門で最優秀賞を受賞。

中田農園

弘前を離れてタイにまで移住

私は祖父の代から続くリンゴ農家の生まれで長男でしたが、リンゴ農家を継ぐ気はありませんでした。高校時代はバンド活動に打ち込み、それを理由に上京。さまざまな仕事をしながら音楽で成功することを目標にしていましたが、次第にバンド活動からは離れていきます。東京でできた仲間の中には海外で仕事をする人もいました。私自身も海外で仕事をすることに憧れ、タイに移住したことがあります。しかし、父が急逝したため1年で弘前に戻ることに。2013(平成25)年のことです。34歳でした。

農作業の手伝いは幼少の時からしていたので、知識がなかったわけではありません。母とリンゴの農作業をしながら、建設機械運転技能や庭園管理士といった資格を取り、仕事の幅を広げていきます。36歳の時には通信教育で大学を卒業。2018(平成30)年には鹿児島へ移住し、放牧養豚の農業法人で働くことにしました。資格や今までの経験が生かせられる仕事ではありましたが、サラリーマンには限界を感じ始めます。そして、新型コロナウイルスの感染が拡大。会社都合で退社し、再び弘前に戻ることになりました。


自分にしかできない挑戦とは

鹿児島の農業法人で働いた経験は、今の活動に大きな影響を与えています。農業の6次産業化やその地域の特徴を生かした農業の事例は全国各地にあり、それを在籍中に知ることになりました。積極的に視察をしたり、研修や交流会に参加したりするようになります。そこで知った長野県のハードサイダー(リンゴの発泡酒)醸造所は大きな刺激となりました。醸造用のリンゴから作る酒造りは、リンゴ農家の生まれであった自分にしかできないことなのではと、私の中で大きな転換期となります。

2021年には自分の農園を開業しました。目標はハードサイダーの製品化。弘前でマイクロブルワリーのモデル作りがその事業となります。現在は、放置されたままだった資産整理や醸造用品種の導入にあたる農園整備など、一つ一つ環境を整えている段階です。目標に向かうステップをまだ一歩も踏み出せていないのかもしれませんが、以前の自分とは違います。私にしかできないことをやってやろうという挑戦ができています。また、弘前にはさまざまな活動や面白い取り組みをしている人たちがたくさんいるということにUターンして初めて気づかされました。そういった人たちとのネットワークを拡充し、自分の目標にも生かしていきたいです。