farmer里親農家・先輩農家のご紹介
研修生の独り立ちを応援!6次産業化で新商品開発も
中澤 義人(なかざわ よしと)さん農園名:よっちゃんりんご園
- 栽培品目
- りんご(サンふじ、王林、シナノゴールド、トキ、(ぐんま)名月、サンつがる、金星、紅玉、早生ふじ、シナノスイート、ジョナゴールド、高徳、おいらせ、秋映、千雪、祝など)
- 経営面積
- 8.4ヘクタール
- 労働力
- 本人、妻、父、社員3人、パート・バイト含め、計15名
ピンチをチャンスに!自ら販路を開拓し会社を設立
岩木山の麓に位置する弘前市相馬地区は、昼夜の寒暖の差が激しく、甘くジューシーで濃厚な味わいのりんごが採れる場所です。私は、3代目農家としてりんご栽培に取り組んでいます。
今から15年以上前のこと。りんごの買い取り価格が低迷し、経営困難に陥ったことがありました。その時、「このままではだめだ。自分のりんごは自分で値段を付けて、自分で売らなくてはいけない」と、気合いが入ったんです。そこで、自慢のりんごを直接消費者に届けてファンを獲得するために、東京で個人販売を始めました。今では当たり前のように見かけるポップも、当時は珍しかった時代。「よっちゃんりんご」の名を1人でも多くの方に知ってもらうために、商品のアピールポイントを記載したポップを作成しあちこち奔走しました。そんななか、ご縁があってお店を紹介してくれた方がいて、そこから徐々に販売数の増加につながっていきました。
その後、地域にある後継者不在の農地を引き受け、少しずつ規模を拡大。2013年には「株式会社シャンティ」を設立しました。「シャンティ」とは、東南アジアの言葉で「私と関わった人はみんな幸せになる」という意味の言葉。その名の通り、私と関わった人はみんな幸せになっていますよ(笑)。
GLOBALG.A.P.認証を取得
毎朝、全ての畑を巡ることを日課にしています。観察することで小さな変化にも気づくし、それによって早めに対処ができるからです。「今年も頼むよ、おいしいりんごを作ってください」って、りんごと対話しながら畑を巡っています。
毎年、秋の収穫が終わり、12月になると剪定作業を始めます。悪天候以外の日は、ほとんど毎日出かけるので、冬期間もずっと畑にいます。
消費者の方に安全・安心なりんごを届けたいという思いから、2017年にGLOBALG.A.P.認証を取得しました。この基準に沿って、生産から出荷までていねいに取り組んでいます。また、水質と土壌検査を第三者機関に依頼し、毎年、高い基準でクリアしています。生態系や環境に害があるとされる、ネオニコチノイド系農薬は使用しないなど、人にも地球環境にもやさしいりんご作りを目指しています。
県外からの研修生を受け入れ、技術指導&就農サポート
4年前から、市内の障害者施設と一緒に農福連携に取り組んでいます。障害者の方たちは一連の作業を習得し、今ではとても上達しました。
数年前には、県外から移住した30代の研修生を受け入れたことがあります。シードル作りに挑戦したいという夢を抱いて弘前に来たのですが、「それなら、りんごができるまでの過程を学び、自分のりんごを使って挑戦してみたら」とアドバイスし、2年間、うちで研修生として学びました。研修後は、私が仲介し市内に畑と家を見つけて、現在は、ご夫婦でりんご栽培に取り組んでいます。
当社では、現在、水や酸化防止剤不使用の100パーセントのりんごジュースを生産販売しています。今後は、さらに6次産業化に力を入れ、近年、人気品種となっている「高徳」のジェラートも生産販売予定です。生果やジュース以外の話題性のある新商品を開発することで、他の生産者との差別化を図り、経営力を強化していきたいと思っています。
1日のスケジュール
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4:30
すべての園地を巡る・園地でおにぎり朝食
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8:00
就業開始
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10:00
休憩
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10:15
園地で作業
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11:45
昼食&お昼休憩
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13:00
就業開始
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15:00
休憩
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15:15
園地で作業
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17:00
終業・園地巡り(18:00まで)
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18:00
お風呂
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18:30
ビールタイム&夕食
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20:00
就寝