farmer里親農家・先輩農家のご紹介
農園に笑い声が響き、未来につながる農業を!

對馬 一(つしま はじめ)さん對馬農園
- 栽培品目
- りんご(ふじ、とき、シナノゴールド、つがる)
- 経営面積
- 2.8ヘクタール
- 労働力
- 本人、妻、アルバイト200人(年間 延べ人数)
斜立仕立てにより、働きやすく次世代につながるりんご栽培
建築が好きで、20代の頃は東京の設計事務所で働いていましたが、Uターンし、りんご農家を継ぎました。私で7代目になります。
ある時、青森県りんご協会が実施している若手りんご農家の担い手養成事業「基幹青年」の研修で、海外のりんご栽培を視察する機会がありました。米国ワシントン州を訪ねたのですが、現地で、りんごの樹形や規模の違いなど様々な点で衝撃を受けました。
アメリカでの視察は、この地域で農家の高齢化が進み人手不足が進むなか、高度な剪定技術が必要なく、作業のマニュアル化がしやすい方法で、未経験者でも取り組みやすい環境整備にむけたヒントとなりました。
「これからの農業は、“きつくてしんどい”というイメージから抜け出さないと、若い人が誰もやりたがらない。作業労力や時間を大幅に軽減し、生産性が高く“稼げる農業”を目指して、考え方を根本から変えていかなければ…」。それまで知らなかったさまざまな技術や世界との違いを知り、大きなヒントを得ました。その後、少しずつ園地の改植に着手し、現在、斜立栽培に取り組んでいます。
芝生が広がるりんご園で心地良い環境づくりを
りんご作りでこだわっていることは、美味しいりんご作りはもちろんですが、働く人たちの労働環境作りにも力を入れています。
例えば収穫時は、脚立の上で重い手かごを持って作業するのは大変なので、手かごは脚立の上に乗せたり、S字フックを使って枝にかごを吊るすなど、できるだけ体に負担がかからないように工夫しています。りんごの幹を地面に対して斜めに伸ばす「斜立仕立て」という栽培方法も採り入れており、風にも強く作業がしやすいうえ、大玉になりやすいのが特徴です。
弘前市の「平成30年度 りんご産業イノベーション支援事業」にも採択され、さらに改良を重ねた、災害に強い斜立仕立てにも取り組んでいます。弘前市は、りんご産業を盛り上げるために、さまざまな形で農家を応援してくれるので助かっています。景観づくりのために、園地には西洋芝を植えています。働く人たちが笑顔になれるような環境づくり、未来につなげていける農業を目指しています。
