farmer里親農家・先輩農家のご紹介
高い栽培技術とブランディングで、東目屋りんごをアピール
笹谷 哲人(ささや てつひと) さん笹谷農園
- 栽培品目
- りんご(ふじ、王林、とき、つがる、シナノスイートなど)
- 経営面積
- 3.6ヘクタール
- 労働力
- 本人、妻、両親、期間雇用5人
- リンク
師匠の教えを後輩たちにつなぐ
弘前市東目屋地区で4代続くりんご農家です。就農を決めて何から学ぶべきか…と思っていた時に、一人の師匠と出会いました。剪定技術の研究や栽培技術の向上などの功績により「澁川傳次郎賞」を受賞した故・今末三郎氏です。私の父も模範剪定の指導者の一人ですが、師匠は指導者仲間からも一目置かれ、誰からも愛される人望の厚い方でした。「木をいかに大事にして剪定するか、全体のバランスが大事なんだ」という言葉が今も心に残っています。師匠からは、りんご栽培の技術だけでなく、タケノコ採り、パチンコ、お酒の飲み方…あらゆることを教わりました(笑)。あれから時が過ぎ、私も後輩を指導する立場になりましたが、師匠の言葉の一つひとつ、手さばきを思い出しながら、より深いところまで掘り下げて指導できるように心がけています。
現在、晩生種のふじと王林は、JA出荷、市場出荷、それに直販と、それぞれ三分の一ずつ。
30年以上前から大阪のスーパーのイベントに出荷していますが、初日のお昼には完売商品が出るほどの盛況ぶり。「行列のできるりんご祭り」として地元メディアに掲載されたこともあります。リピーターも多く、「弘前市東目屋のりんごは格別おいしいので今年も朝早くから並んでいます」というお客さまの声を聞くたび、うれしくて励みになっています。
地域の仲間と協力し、東目屋りんごをブランド化
弘前市りんご公園に工房を構える「弘前シードル工房kimori」の初期メンバーの一人として、現在も運営に携わっています。また、大好きな地元を盛り上げたいという思いから「東目屋ねぷた愛好会」を立ち上げたり、地元若手有志による地域団体「楽しいね!!東目屋実行委員会」の代表としてさまざまな活動を行っています。そのひとつが、出荷用のオリジナルダンボール箱の制作です。東目屋のりんごは、寒暖差によりシャキシャキした歯ごたえと蜜たっぷりの甘さ、ジューシーさが味わえるのが自慢です。そんな東目屋りんごをPRするために、従来のりんご用段ボール箱と異なり、サイズや重さを調整し宅配料金を抑えられるように工夫するとともに、収納容器として再利用できるお洒落なデザインにこだわりました。
弘前市と地域住民が連携しながら、地域おこし協力隊の招致にも力を入れてきました。現在、地域おこし協力隊として活躍中のスタッフの尽力により、首都圏のスーパーへの直販ルートも確立し、東目屋りんごのブランド化に向けて機運が高まっています。