弘前ぐらし 弘前移住情報サイト

青森県弘前市の移住応援サイト「弘前ぐらし」は移住やUIJターンの情報を発信しています。仕事探しのための求人や転職情報、補助金等の支援、暮らしのための医療、福祉、住宅や空き家情報、移住イベント情報、就農や起業までサポート。有楽町の東京事務所でも相談受付中。

紙漉沢獅子舞十五夜獅子舞奉納

◆月明かりにゆれる幻想的な獅子舞

2020年10月1日(木)19時から弘前市紙漉沢「交流センター紙漉の里」において、「紙漉沢獅子舞十五夜獅子舞奉納」が紙漉沢獅子舞保存会により行われました。ここの獅子舞の特徴として、終盤に権現(ごんげん)獅子が現れるのですが、残念ながらこの日は現れませんでした。

獅子は神様の化身と言われますが、その角を持った顔はどう見ても怖く、衣装も金色の衣と赤い股引きと現実離れしています。夜のため周囲に明かりは少なく暗闇に踊る獅子と囃子、それを見ているのは自分しかいないような錯覚にとらわれます。満月に照らされた獅子は昼に見る獅子よりも、さらに神秘的に感じられました。

舞奉納終了後「交流センター 紙漉の里」で、獅子納めの儀式が行われました。獅子たちは、次の出番までまた眠りにつきます。

◆津軽獅子舞・獅子踊り

津軽獅子舞・獅子踊りは、1682(天和2)年弘前八幡宮の大祭に奉納して以来の伝統をもつと言われています。旧暦8月2日に「獅子起こし」という儀式により、眠り(桐箱に納められた状態)から覚め、同年旧暦9月29日に「獅子納め」の儀式により再び眠り(桐箱に納められた状態)につきます。

紙漉沢獅子舞保存会では舞を始める前に「獅子起こし」をし、舞が終わると獅子納めで終わるというパターンをとっています。

◆紙漉沢獅子舞(市指定無形民俗文化財)

ここの獅子は一人立三人舞で、獅子踊は鹿獅子の系統に属します。舞は雄獅子二頭、雌獅子とオカシコで構成されますが、現在は権現獅子が加わります。

由緒は明らかではありませんが、紙漉沢地区に長年伝えられてきたもので、現在まで、古い舞の芸能を良く保っています。(弘前市教育委員会発行「弘前の文化財」より抜粋)

◆長慶天皇伝説

「紙漉の里」のある相馬地区には南北朝時代(1336年〜1392年)に長慶天皇が逃れてきて、この地で没したという伝説があり、紙漉沢獅子舞もその時にもたらされたという説もあります。

相馬地区はその伝説の影響か、「元長慶天皇御陵墓参考地」をはじめとし、「長慶山」・「長慶閣」・「長慶橋」と長慶の文字を冠した地名などが随所にあります。

明治時代に「長慶天皇御陵墓参考地」から除外されたものの、皇后の墓とされる白山堂において毎年十五夜に、「紙漉沢獅子舞十五夜奉納」が行われてきました。

最近白山堂は「元長慶天皇御陵墓参考地」の山手側に移転したので、十五夜獅子舞奉納は「交流センター紙漉の里」に移して行われています。

◆紙漉沢獅子舞十五夜獅子舞奉納写真

▼最初は、囃子をバックに、太鼓の背中を獅子が押し、一列になり入場します。

▼笹の枝を三本立てて、山を表しています。右上には十五夜の月。

▼右側笹の奥にオカシコがいます。獅子は神様の化身と言われ、オカシコはその先導役で道化の役も担います。

▼雄獅子2頭が雌獅子を争い、オカシコの仲裁で仲直り。と言うストーリーです。

私が撮影した「紙漉沢獅子舞十五夜獅子舞奉納」の動画です。興味のある方はご覧ください。