弘前ぐらし 弘前移住情報サイト

東京ではなくイタリアでもなく弘前で開業

弘前を初めて訪れたのは23歳でした。調理の専門学校を卒業して横浜で修行を積んでいた時のことです。テレビ番組で知ったイタリアンレストランで食事をするためだけに、夜行バスを使って日帰りで強行しました。その料理やコンセプトに感銘を受け「ここで学びたい」とすぐに猛アピール。何度も断られながらも最終的に受け入れてもらい、2010 年弘前に移住して働くことになりました。その5年後、チーズやハム、パスタ、ワインなど現地の味を直に学ぶためイタリアやフランスへ行きます。しかし、渡欧する時に決めていたことがありました。弘前の文化や風土に魅了されていたので、自分の店を開くのは弘前ということです。

帰国後東京の三つ星レストラン　カンテサンスを経て35 歳で再び弘前に戻ってきました。2020年には代官町にイタリアンレストラン「ピッツェリア　ミーア」を起業。周囲からは「どうして地方で？」「東京でやればいいじゃないか」といった声はたくさんありましたが、自分が惹かれたこの土地でやれる確信がありましたし、最終的に決めるのは他人ではなく自分自身であるべきと考えます。大切なことは正解を選ぶこと、ではなく選んだことを正解にする結果を出すことと、圧倒的な努力です。

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移住者だからこそ気づいた弘前の魅力

弘前の魅力は、自然美と人工美が融合しているところです。津軽富士と呼ばれる岩木山や郊外には日本一の生産量を誇るリンゴ畑が広がります。一方で近代建築の巨匠・前川國男氏をはじめとした近代建築物や教会、洋館と弘前城や昔ながらの趣ある建物もたくさんあり、和洋が織り交ざった街です。歩いているだけでいつもワクワクします。春は桜、夏はねぷた、秋は紅葉、冬は雪と四季折々の美しい景色が楽しめることも今まで住んできた街にはない魅力です。

独立して現在目指していることは、弘前に住んでいる人たちに弘前の魅力を再確認してもらうことです。地元の人にこそこの土地に自信と誇りを持って欲しいですし、Iターンした自分だからこそ強く感じられる弘前の魅力をどんどん発信していければと考えています。そのために自分の店で提供する食材は地産にこだわり、皿やグラス、レンガ調の店内や緑あふれる装飾などにもこだわり、弘前市民にとって自慢の店になれたらと日々アップデートしています。