farmer里親農家・先輩農家のご紹介
新規就農に向けた計画と、資金作りが重要
斉宮 大(いつき だい)さん農園名:斉宮農園
- 栽培品目
- ミニトマト
- 経営面積
- 660平方メートル(ビニールハウス2棟)
- 労働力
- 本人、妻(繁忙期は妻の両親など)
妻の実家でりんご栽培を手伝ったことがきっかけ
私は山口県出身で、当時、勤務していた会社の転勤で東京から青森にやってきました。弘前市出身の妻と結婚し、休日には妻の実家が営むりんご園で作業を手伝う日々でした。りんご園越しに眺める岩木山は本当に美しく、なかでも秋になると赤く色づいたりんごとのコラボレーションがみごとでした。
家族みんなで農作業をするうちに、「農業って楽しい。サラリーマンを辞めて農業をやってみたい」と、思うようになりました。そんな矢先、再び転勤が決まり、妻と一緒に東京で暮らし始めました。しかし、懐かしく思い出されるのはりんご園の風景ばかり。妻も私も弘前に戻って農業をやってみたいという気持ちが強くなり、新規就農を視野に入れて情報収集を始めました。
東京で開催された「新・農業人フェア」に参加
新規就農するにあたり、心配だったのはやはりお金のこと。農業で生計を立てていけるだろうかという不安でした。そこで、自己資金を増やすため貯蓄するとともに、新規就農者向けのイベントにも積極的に足を運びました。東京の会場で開催された「新・農業人フェア」に参加したところ、弘前市やあおもり農業支援センターの職員の方々がいろいろ相談にのってくれました。青森県が、農業未経験者の講習の場として開設している「青天農場」のことも紹介してもらい、農作業研修にも参加しました。
新規就農者に対する支援制度があると知り、青森県中南地域県民局に相談に行ったところ、私たちに適した制度を紹介してくれました。設備投資や当面の生活費、収入をシミュレーションして具体的な金額を出したところ、これならやっていけるかも知れないと思いました。そうして、約1年半の準備期間を経て就農しました。
農家での1年間の研修を経てミニトマト栽培をスタート
栽培品目は、収益性の高さを考慮しミニトマトに決め、2021年4月から夫婦で弘前市内のミニトマト農家のもとで研修を始めました。研修先では、ミニトマトの栽培技術はもちろんですが、農家の暮らしや苦労話などリアルなお話を聞くことができイメージづくりに役立ちました。
妻の実家のりんご園の一画にミニトマト栽培用のビニールハウスを2棟建て、2022年4月からミニトマト栽培を始めました。私が所属しているJA の青年部には、同世代のりんご農家が20人ぐらいおり、そのメンバーに手伝ってもらいながら自分たちでハウスを建てました。困った時は協力し合える地域のつながりを、心強く感じています。
就農して1年目は、何もかも手探り状態で、予定外のことだらけ。自分たちがひとつの作業に手間取っている間に、そのあとの作業がどんどん遅れてあせったり、また、湿度が高くなるとミニトマトの表皮が割れて商品にならないなど、自分たちではどうしていいのかわからないこともありました。そんな時は、朝5時に師匠のところに相談に行き、その都度アドバイスをもらいました。師匠は懐が深い方で、いつも私たちのことを気にかけてハウスにも足を運んで指導に来てくれるので本当に感謝しています。作業に追われて大変な時もありますが、やはり自分たちでつくったミニトマトは格別です。
冬期間は農作業がないので、私は以前勤務していた会社で派遣社員として働き、妻は別な会社でアルバイトをする予定です。今年、ハウスを2棟増設したので、2023年4月からは計4棟のハウスでの栽培が始まります。今は「サンチェリーピュア」という品種のみですが、消費者の多様な好みに対応できるように今後は品種も増やしていきたいと考えています。また、現在はJA出荷のみですが、軌道に乗れば、販路も開拓していけたらと思っています。
1日のスケジュール
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5:00
起床
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6:00
朝食
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7:30
夫は、誘引作業、妻は収穫作業を担当
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11:00
パック詰め作業
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12:00
昼食
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13:00
パック詰め作業
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13:00
園地で作業
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17:00
夕食
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18:00
事務作業など(20:00まで)
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21:00
就寝