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senpai教えて!先輩リモートワーカー

コロナ禍をきっかけにUターン 青森の自然でデジタルデトックス

Profile

小笠原 大(おがさわら だい)青森県

移住年
2020年
職業
音楽キュレーター・ディレクター

2020年にコロナ禍でリモート勤務になったことや、生活への考え方の変化によって、地元である弘前にUターン。普段は実家で仕事、休日はキャンプをしながら、自然のある関東地域と弘前との2拠点生活を目指している小笠原さんに、リモートワーク移住や弘前での暮らしに関してお話を伺いました。

リモートワーク移住をした理由や経緯を教えてください。

2020年の春、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、会社がフルリモート勤務になりました。当初は住んでいる千葉県と弘前の実家を一ヶ月ごとに行き来する2拠点生活を考えていたのですが、フルリモート勤務になって以降感染状況が悪化したため、2020年の9月以降は県外へは出ずに、そのまま弘前の実家にてリモートワークをしています。会社はリモート勤務に対して柔軟な考えを持っているため、急な呼び出しなどはありません。

リモートワーク移住を続けているもう一つの理由は、弘前に戻ってきてからキャンプにハマってしまったという事もあります(笑)。

ただUターンに関しては、完全に戻ることは考えておらず、あくまで2拠点生活が希望です。先々は、都内の会社へ2時間程度で行ける自然のある地域と弘前を行き来する生活を目指しています。

リモートワークでの仕事内容を教えてください。

まず一つは、24時間365日配信している自社YouTube Lo-Fi Hip Hopチャンネルの運営です。内容としては、収録アーティストの開拓とその対応 (主に海外)、収録楽曲の選定、配信プログラムの作成や配信設定業務などです。また、提携企業施設内のBGMの選曲も担当しています。例えば、渋谷の銭湯『改良湯』、東京地下鉄株式会社とゲシピ株式会社が運営する『esports GYM』、渋谷ヒカリエ内のコワーキングスペース『Creative Lounge MOV』などの施設です。その他、シティポップ楽曲を中心としたアーティスト楽曲プロデュースや、企業へのWeb営業なども行っています。

仕事風景イメージ
TonebyGridge

普段はどういった環境でお仕事をしていますか?

実家の8畳の和室です。基本的にパソコンとWiFiがあれば他の設備は不要な、どこでも仕事ができる業務内容です。

実家の仕事風景

リモートワーク移住をしてみて、良かった点や実際リモートワークをしてみて感じたことを教えてください。

一番のストレスであった都内での電車通勤から解放されたのが、最も良かったことです。都内で働いていた頃の通勤時間は片道1時間ほどで、電車3本を乗り継いで通っていました。今は逆に、退勤時間が明確ではなくなったため、平日の夜は気がつくと寝る直前まで仕事をしていることが多く、その点は改善したいと思っています。

また休日は、弘前の土地柄、アウトドアアクティビティにアクセスしやすく、自分のライフスタイルに合っていると感じています。

リモートワーク移住をするにあたって不安だったことや改善点、実際に住んでみて不便だったことはありますか?

私はどちらかというと、あまり自分から相手にアピールできるタイプではないので、既存のコミュニティーに後から入って行くことに難しさを感じているところがあります。 そのため、自分の人脈が集中している都内から完全に離れるのが怖いと感じており、そのことが完全なUターンではなく2拠点生活を希望している理由の一つかもしれません。

交通機関などのシステムが都内に比べて弱いということについては、コロナ禍以前にも年に数回は帰省していたし、承知の事なので、その部分は、「こっちはこっちのシステムがある」と割り切っており、自分的には不便には感じていません。また、コロナ禍によって、「逆に不便も楽しめばいいかな」という、根本的な考え方の変化があったことも大きいですね。

“既存のコミュニティーに後から入って行くことが難しい”と感じているとのことでしたが、弘前市内のコワーキングスペースでは、「ひろさき圏域移住者交流会」なども開催されていますよ!

そうなんですか!? 全く知らなかったです…。お声がけいただければぜひ参加したいです。市内のコワーキングスペースは、前を通ったことはあるけどどんな施設なのかわからないところもあって。移住後、自分のように引っ込み思案なタイプの人間は孤立しやすいということも考えられるので、移住者が集まれる機会を設けることは必要だと思います。

移住してみて分かった弘前市の魅力とは?

私は仕事とプライベートのオン・オフをきっちり分けたいタイプなので、自然の多い弘前は、気軽に気分の切り替えができ、そこが一番の魅力だと思います。休日は岩木山の麓のキャンプ場や親戚のりんご畑などでキャンプをし、仕事のことは完全に忘れるようにしています。元々デジタル肌の人間ではないため、精神のバランスを保つために完全にパソコンから離れる時間を作って、まめにデジタルデトックスするようにしています。

畑でのキャンプ
岩木青少年スポーツセンターでのキャンプ

移住をきっかけに、仕事やプライベートで取り組みたいことがあれば、教えてください。

元々自然が大好きで長年アウトドアブランドに勤務していたこともあり、これからも休日のアウトドアアクティビティをどんどん充実させていきたいです。例えば、今までやったことのないSUPなどにもチャレンジしてみたいと考えています。

また、青森はキャンプ場が多く、関東近郊に比べて料金も安くて予約なしで行けるところも多いので、その魅力を何かしらの形で県外に向けて発信できたらいいなと思っています。青森県は、キャンプ県であると思っています!

あとは、まだうっすらと思っているだけですが…。若者が集まれる拠点、かつ観光の拠点になるような場所作りに参加できたらいいなと思っています。弘前出身の人って様々な才能のある人が実は多いと感じており、ベースとしてそういう人が生まれやすい街なのではないかと考えていて。そのことを前提とすると、若者たちがカルチャーを自身で発信できる場所が必要かなと思っています。”ここ、弘前の中心だよね”と言える場所、かつ観光客にとって“魅力的な一つの通り”がこの街には必要なのではないかと考えています。

ご家族の感想などもお知らせください。

父には、自分が弘前にいることによって安心感を持っていてくれたらいいなと思っています。特に冬の雪かきは、年齢を重ねると本当に大変なことなので…。都内に住む弟や妹は、二人とも青森が大好きなのですが、所帯を持っているのでコロナ禍でなかなか青森に帰って来られず、自分のことを羨ましく思っているのかも知れませんね。