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senpai教えて!先輩リモートワーカー

HLS弘前で「人のつながり」を感じながら、ITを活かした農業へ挑戦

Profile

鹿倉 秀太(かくら しゅうた)福岡県

移住年
2021年
職業
農家&Webエンジニア

親戚のりんご農家を手伝ったことがきっかけとなり、2021年に東京からアスパラガス農家を目指して弘前市へ移住。農作業の無い冬場には、ITエンジニアとして働くリモートワーカーでもある鹿倉さんに、農業とITの仕事の両立や移住後の暮らしについてお伺いしました。

リモートワーク移住をした理由や経緯を教えてください。

移住前は、東京でITエンジニアとして働いていました。妻の実家が弘前市の隣の黒石市にあり、帰省した時には親戚のりんご農家の手伝いをしていました。そこで農業に興味を持ち始め、自分もここで農業をやろうと思ったのが移住のきっかけです。最初はITエンジニアをきっぱり辞めて、農業一本にしようと考えていましたが、家族からITの仕事も続けてほしいとお願いされたこともあり、リモートでITの仕事を続けることにしました。2019年に会社を辞めて独立し、2021年に弘前市に移住して就農、農業の合間にITの仕事をしています。仕事の割合は季節によって異なり、春夏秋は農業が8割でITが2割、冬はほぼITの仕事が中心となります。

普段はどういった環境でお仕事をしていますか?

今は黒石市の畑を契約して、アスパラガスの栽培を始めています。新規就農するなら好きな作物を作ろうと思い、アスパラガスを作ることに決めました。農業はまだまだ知らないことだらけですが、常に新しい発見があり、楽しみながら農作業をしています。

ITエンジニアの仕事では、HLS弘前というコラーニングスペースを使って作業しています。子どもがまだ小さく、家で仕事するのが難しいので、重宝しています。月額会員になるとフリードリンクも利用できるので、思い切って月額契約しました。

リモートワークでの仕事内容を教えてください。

基本的には、前職で携わっていたWebサービスの開発の仕事をいただいています。それ以外は、最近弘前の個人や企業からホームページなどサイト制作をしたいという相談を受けることが多くなり、たまにそういった仕事も受けています。ただ、私自身が農作業で忙しくあまり動けないため、ファシリテートだけして実際には弘前の大学生に制作してもらったりしています。

コラーニングスペースHLS弘前を使っている感想をお聞かせください。

一人で農作業をしていると、人と会う機会があまり無いですし、コロナ禍では東京で仕事をしていた時もほぼ在宅で、オフラインで人と会う機会がありませんでした。一方で、HLS弘前を利用していると、学生や街の人に会うことができます。活発な学生が多い場所なので、おすすめの飲食店など、弘前のいろんな情報を教えてもらっています。また、私が仕事で関わっていたサービスについても興味を持ってくれる人がいて、実際に仕事につながったこともあります。HLS弘前は、「人とのつながり」を感じられる場所だと思います。

リモートワーク移住をしてみて、良かった点や実際リモートワークをしてみて感じたことを教えてください。

良かった点は、通勤時間が少なく、子どもとの時間が増えたことです。東京で会社員として働いていた頃は、片道1時間半かけて徒歩と電車での通勤。朝に子どもを送って、夜に子どもが寝たころに帰るという生活でした。今は、自宅からいずれの職場へも車で30分以内に着きます。農作業を終えた日は、夕方17時頃に帰宅して一緒にご飯を食べることができます。土日には、畑で遊ばせながら農作業をします。虫捕りをしたり、裸足で畑を歩いたり、自然に触れて子どもと過ごす時間は幸せです。東京ではマンションに住んでいたので、遊ぶ声が隣の部屋に迷惑をかけていないか心配で、注意することもありましたが、今はほぼなくなりました。

実際、東京にいた頃に比べて収入は減りましたが、今の自分にとっては、家族と過ごす時間がとても大切です。

コワーキングスペース(弘前HLS)でのリモートワーク

リモートワーク移住をするにあたって不安だったことや改善点、実際に住んでみて不便だったことはありますか?

移住前、ちょうど新型コロナウイルス感染症の影響により弘前と東京との行き来が難しかった時期があり、住む場所の物件をWeb上で見つけにくかったことが不安でした。オンラインでの内覧会等がもっと普及すれば、多くの物件を移住前に検討することができ、便利かと思います。また、保育園の入園手続きでは、本来は弘前市役所まで足を運んでの手続きが必要でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で東京から書類のみで手続きができました。今後、移住を検討している人たちにとっても、弘前に来なくても、事前に手続きができるような体制があればとても便利ですよね。

実際に住んでいて困ることは、言葉ですね…。なかなか聞き取ることが難しくて。隣の畑のおじいさんがふらっと来て声をかけてくれたときも、何を言っているのかわからないことも多いです(笑)。

また、現金しか使えないお店が東京に比べると多いので、現金を使うケースが増えました。東京では、ほぼ現金を持ち歩いてなかったので、キャッシュレスがもっと普及すればいいなと感じています。

冬の暮らしは大変ではないですか?

自分にとってはそんなに苦ではないです。たしかに雪かきは大変ですが、東京にいた時は体を動かすことがほぼなかったので、良い運動だとポジティブに考えています。ただ、黒石市の畑に行く途中、雪道を運転していてブレーキが効かない時があったので、安全運転を心がけています。

移住してみて分かった弘前市の魅力とは?

ラーメンと、温泉と、自然です。私はラーメンが好きなので、弘前圏内のラーメン店はかなり巡りました。また、釣りが趣味なので、車で1時間走れば海釣りも川釣りもできるという面で、弘前に住んでよかったなと思います。農作業を夕方に終えてから、日が暮れるまで釣りをして帰ることもあります。渓流釣りは、地元の福岡に比べるとびっくりするほどポイントが多いので、釣り好きの地元の友達には、是非遊びに来てもらいたいです。また、キャンプ場も多いので、来年は子どもたちとキャンプにも行きたいですね。弘前は、子どもも大人も楽しめるところだと思います。

ハウス(自分で建てた)とご家族の写真
釣りの写真

移住をきっかけに、仕事やプライベートで取り組みたいことがあれば、教えてください。

まずは、アスパラガスを上手く作れるようになることを目指します。その中で、自分が培ってきたIT技術を農業に積極的に取り入れていきたいと思っています。例えば、私はまだ就農1年目で経験が浅いので、センサーを取り入れて自分の畑のデータを取ったりしています。

プライベートでは、ウィンタースポーツを始めてみたいですね。九州で育ったため雪とは無縁だったので。

ご家族の感想などもお知らせください。

当初、青森県出身で雪国の大変さを経験したことのある妻は移住に賛成ではありませんでしたが、今では弘前での暮らしを楽しんでくれていると思います。夫婦で「弘前アップルパイガイドブック」を使ってアップルパイ巡りをしたり、どこの温泉が好きか話したりして、夫婦の時間も増えました。子どもたちは、少し前までは昆虫や魚を触れなかったのに、今では平気になり、夏は毎日カブトムシ採りに行こうとせがまれます。