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19年ぶり!津軽情っ張り大太鼓の大規模修繕に密着

毎年、弘前ねぷたまつりの先陣を切る直径3.3メートル、重さ2トンの津軽情っ張り大太鼓。19年ぶりに修繕されると聞いて作業風景を取材しました。
太鼓修繕は9日間かけ、弘前市の「塩谷太鼓店」が中心となって行われました。

 

◆なぜ修繕が必要だったか

最も大きな原因は、経年劣化による「箍(タガ)」の緩みがあることでした。
太鼓の胴は、50枚以上の板を組んで桶の形にしています。桶の形を保つために外側からかぶせられている竹製の輪「タガ」がゆるみ、板の隙間が目立つようになってきました。
放置しておくと太鼓そのものの形が崩れ、破損する恐れがあります。

今回はタガを締め直し、太鼓正面の皮を張り替え、全体を塗装しなおして新たなロープで締めました。初日と最終日には人手が必要なため、情っ張り大太鼓のメンバーも作業に加わります。私もメンバーとしてお手伝いをしてきました。

 

◆分解して分かった事

3月20日初日。情っ張り大太鼓保存後援会のメンバーも加わって作業開始。
太鼓の皮を締めているロープを切り、クレーンで皮を釣り上げて外していきます。
大太鼓の中はめったに見ることができません。興味津々で覗いてみました。

▲クレーンで釣り上げられる太鼓の革

 

内側には大太鼓の由来書きやたくさんのサインが色褪せないまま書かれていました。まるでタイムカプセルを開けたようです。

 

▲1970(昭和45)年完成時に書き込まれた由来。墨書きがしっかり残っている

▲大太鼓の中。鉄の枠組みと真ちゅうの板が見える

太鼓の中に真鍮(真ちゅう)の板がたくさん付けられていたことに驚きました。なんと300枚以上!これはマサックと言い、太鼓を打つ響きが広がるように音響効果として取り付けられたとのことでした。
さて、太鼓の革を外して、入念に胴の状態を調べます。タガの緩みが原因で、板にわずかな隙間が見えました。さらに太鼓の上下の中心が設置台から2センチメートルほどずれていたことが分かりました。

 

◆工程を追う

修繕の様子は、観光館の外に展示され、誰でも見ることができました。

①3月20日
・太鼓のロープを切り皮を外す
・太鼓を台座から外す
・下のタガを外しながら太鼓を立てる
・太鼓の革を張り替えるため、新たな太鼓の皮に金具を付け替える

▲ロープを外して下タガを外した状態。大きい・・!

▲外した太鼓の革の金具を交換中。金具は真ちゅう製。牡丹の意匠が施されています

②3月21日
・下のタガを締める
・上のタガを締める
・夜間積雪予想あり、養生する

③3月22日
・休み

④3月23日
・太鼓の胴の塗装(タガ以外)

▲赤く塗られた太鼓

⑤3月24日
・乾燥させる

⑥3月25日
・乾燥させる

⑦3月26日
・午後から雨天のため午前中に養生作業して終了

▲タガの塗装前のマスキング作業。通りすがりの人も大きさに驚いていました

⑧3月27日
・タガ部分の塗装

⑨3月28日
・太鼓組み上げ
・太鼓の革のロープ締め

最終日はロープ締めもあり、人手が要ります。大太鼓のメンバーも集まって朝9時から夕方5時まで作業となりました。

▲太鼓の革を取り付ける瞬間。ミリ単位での調整が必要です。慎重に作業が進みます

皆で息を合わせてロープを引っ張ります。太鼓の革同士を締めるのに必要な長さは200メートル以上。その他に桶を締めるための「帯ロープ」を太鼓の左右に4周ずつ巻いていくのです。絡まないように、慎重に作業していきます。

 

▲下からロープを通していく。息の合った作業が必要

今回は残念ながら帯ロープを締める時間が無く、後日に作業することとなりました。

◆修繕を終えて

「今回の修繕を皆で記憶し、次世代に繋いで行きたい。今いる小学生のメンバーが大人になったときにまた修繕が必要になるでしょう。これからも情っぱり大太鼓の音色が続いていくことを願っています」と話すのは津軽情っ張り大太鼓の指導を担う成田さん。

修繕を終えてピカピカになった大太鼓、今夏はきっと素晴らしい音色を響かせてくれることに違いありません。

ぜひ、弘前ねぷたまつりにお越しください。お待ちしております!

・取材協力:公益社団法人 弘前観光コンベンション協会

 


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